アレキサンダー・テクニックって何?


(モナチンはいつも脱力だよ〜ん)
 山ちゃんの毎晩の飲み仲間に、フルートのクルム先生が連れてきた若い男女の助手(彼らが恋人同士だったと最初の夜の飲み会でわかったのだが・・)がいた。彼らはアレキサンダー・テクニックなるものを習得していてフルート演奏にも有益だからとクルム先生が特別にフルートレッスン以外の講習を設けてくれたのだった。今では日本でもアレキサンダー・テクニックは随分広まっているけど、山ちゃんがリヴァの講習会を受けた1985年当時は音楽の世界では非常に珍しく演劇の世界で広まっていたテクニックであった。
アレキサンダーとは演劇の神様みたいな人だったらしい。その彼が演劇での体の動きを機能的に知覚し実践的に演劇で役立つように体系的に理論化したのがアレキサンダー・テクニックらしい。
 で、山ちゃんが最初に助手のヨルゲンから言われたのが「さあ、そこに自然に立ってみて!」だった。山ちゃんが言われたとおりに立つと彼は「それは軍隊の立ち方だ。手の甲が横に向いているだろう。人間の自然に立つと手の甲は前に向くんだ。」と言いながら、山ちゃんの手を持ってそれをゆっくりと動かしながら「アレキサンダー・テクニックとは演劇での俳優の動 きを筋肉の自然な動きに合わせて所作出来ることを 目標にしているんだ。そのテクニックを応用する事 でフルートでもよりいい演奏ができるように手助け するのが私のしgおとなんだ。」と言った。
 実は山ちゃんにとって彼らの出会いはナイス・タイミングの運命的な出会いだったのだ。と言うのが、山ちゃんはフルートを吹く姿勢に関しては過去に褒められこそしても悪いと指摘された事が無かった。ところが、デトモルトの音大でアヒレス教授からいつも肩を叩かれながら「姿勢が悪い!」と、言われ続けていた。まさにこのアレキサンダー・テクニックは山ちゃんにとってフルートレッスン以上のいい勉強になったのだ。それに彼らとは毎晩飲みながら本当に楽しい日々を過ごしたのだった。